死にたい人へのメッセージ(静)

自殺防止のメッセージ集(文章)

[孫氏の兵法]から学ぶ・初めに

 さて、孫氏の兵法という書物があります。これは、コンビニで買った書物によれば、曹操、毛沢東、果ては現代人のビル・ゲイツまでが愛読した書物とのことです。

 

 これは、普通に読めば、戦、古代の、あの弓と槍、刀で戦う戦闘行為に勝利する為のアドバイス書のようなものらしい。しかし、現代人には、最早、そのような原始的な戦争手段は存在しないし、そもそも、戦争状態にある国の軍人以外は戦争自体に携わっていない。

 

 では、この[孫氏の兵法]の中身は意味が無いのか?と言えば、必ずしもそうではない。命を削り合う古代の戦い以外にも、我々現代人の平和時の生き方にも応用可能だと思う。

 

 故に、私は独自に解釈し、皆さんにご紹介したいと思います。

 

 孫氏の兵法というのは、勝利することに主眼が置かれた書物ですが、現代人にとっての、一個人にとっての勝利とは、泥沼にはまらずに、なんとか良き状態で、この平和時の人生を生き抜くということでしょう。

 

 この孫氏の兵法は、古代中国の呉という国の中の、湘軍の孫武と言う人物が書き上げた、戦争に勝利する為の書物です。

 

 孫武は生涯の記録は乏しい人物です。司馬遷により編纂された歴史書の[史記]によると、元々は楚の国の重臣の伍子胥(ごししょ)という人が、政敵の策略にはまり、父と兄を殺害され、呉に亡命したとのことです。

 

 その後、伍子胥は呉の王である闔閭(こうりょ)に使えた時に、孫武の著書を献上したとのことです。それを読んだ王は、孫武を呉の将軍に任命しました。

 

 こうして、孫子の兵法の著者である孫武が初めて歴史の表舞台に表れました。孫武は紀元前506年に、見事な作戦で自軍の数倍の敵軍を撃破します。その後も連戦連勝で、遂には楚の首都を陥落させました。

 

 このように、文章で書く分には、僅か数行で済みますが、これは、実際に戦う身になれば、戦争に敗北するとは、すなわち、槍で刺されたり、矢が首に刺さったりと、とてつもなく痛いのです。勿論、敗北者は殺されます。故に、テレビゲームと異なり、何度も何度も生き返ることは不可能ですから、間違いは出来ないのです。

 

 それに比べれば、現代人は平和状態の中に生きているが故に、自己破産等で、人生をやり直すことも可能です。しかし、出来れば、自己破産する前に、自己破産しなければならないような悲惨な状態には陥らない方が賢明です。

 

 故に、実際に己が窮地に陥る前に、他人の事例から物事を学び、事前に危機を回避することが肝要です。

 

 ここでは、この書物を参考にしつつ、私なりの解釈も付け加えて述べていきたいと思います。

 

 齋藤健一