死にたい人へのメッセージ(静)

自殺防止のメッセージ集(文章)

孫子が説く、[脆さ=依存]を排除する五つの方法

遠方への出張に絶対に遅刻しない為には、一体どうすればいいのか?

 

 遠く離れた場所で開かれる重要な会議に出席する為に、飛行機や電車を乗り継いで出張するとしよう。

 

 つまり、朝五時に起床してから向かう、こうすれば、ギリギリ間に合う!という計画は、破綻する確率がけっこうある。パチンコの緑色の保留玉で大当たりする確率位、けっこうな高確率で破綻するだろう。

 

 それは、電車や飛行機の遅延、そして自身が下痢になってトイレに籠りっきりになり、予定時刻発車の電車に乗り遅れるとか、更に言えば、トイレの個室の前に行列が出来ており、中々個室に入れないとか、そういったことまで、全く想定していないのだから。

 

 そもそも、孫子が生きておれば、絶対にこのような、寸分の狂いなく進行した場合にのみ合格するような呆れた計画は立てません。

 

 そう考えた場合、合格の予定の立て方は、一体何でしょう。それは、会議の前日の時点で、既に会議場の近くの宿泊施設に泊まり、出来ればその会議場までの道のりを前日に確認して下見しておく。そうすれば、余程のトラブルが発生しない限りは、問題なく会議に間に合うでしょう。

 

 なので、受験日当日に電車が遅延して、パトカーに送ってもらった、とかいう生徒のニュースが報道されますが、それも、出来れば、受験する学校の近くの宿泊施設に前日に泊まる方がいいのかもしれません。それが無理ならば、うんと早く起きて、予定時刻の二時間前には学校に到着しているようにする、とかすべきでしょう。

 

 

[敵より先に戦場に到着し、地形等を下見し、相手を余裕をもって迎え撃てば、勝つ確率は飛躍的に高まる。逆に、敵よりも遅れて戦場に到着すれば、苦戦は必至であろう]

 

 

五つの方法で依存状態を排除し、盤石な基盤を整える

 

 依存状態の排除は、脆さを盤石さに変化させること。その為の方法は、五つあるという。

 

 

①万が一の場合を想定して、別の案を想定しておく。

 これは、前述の通り、遠く離れた場所に行く予定ならば、余裕を持って向かうということ。また、その案が駄目になった場合に備えて、複数の移動手段を用意しておくこと、という意味である。勿論、移動の場合のみならず、金策等、人生のありとあらゆる事態に当てはまる。

 

 ゴルゴ13の話の中で、何という題名だったか忘れたが、体が思うように動かない状態で殺し屋に個室の中で襲われて、ゴルゴは万事休すか!?と思われた瞬間、その部屋の中に予め隠していた武器で、その襲撃者を殺したケースがあった。それも、念には念を入れるゴルゴだからこそ成し遂げられたことだ。

 

②前日までに、発生しうるリスクを限界まで排除しておく。

 これも、力のある者ならば、金の力、権力の力で事態を強引に打開することも可能かもしれないが、我々一般庶民は、そのような絶大な力はない。故に、その何かをする前日までには、発生しうるリスクを最小限にする努力を継続して行うべきだ。

 

 例えば、海外旅行に行くのに、いざ空港に到着した後になって、パスポートが無い!なんて騒ぎ出す輩というのは、恐らくギリギリまで支度はしなかったのだろう。一週間前の時点で既にトランクケースに服やパスポートをしまっていて、出発日までの間に複数回中身を確認し、且つ、出発直前にも念には念を入れて確認するということをすれば、そのような事態には陥らなかったろうに。

 

③目標を複数設定し、並行して同時進行で追いかける。

 これは、私が最も苦手とすることだ。同時に異なる複数のことをする、ということは、私は苦手だ。ただ、やはり生き方が上手な人というのは、一つの物事が失敗した時にどうするか?ということを、複数の道を用意しているものだ。

 

 例えば、受験にしても、第一希望の志望校に落ちた場合に、では第二の受験校はどこか?第三は?ということまで、しっかりと余裕を持って想定しておけば、たとえ第一希望に落ちたとて、パニックに陥ることはないだろう。まあ、落胆はするだろうが。

 

④早期に着手して、リスクを事前に把握する。

 これは、その対象とすることをした場合、どんな失敗をする可能性があるのか、どんな事態に陥る可能性があるのか、色々な想定を予めしておく必要があるということ。逆に、ギリギリで行動するような人は、リスク管理が全く出来ておらず、運良く物事が全て上手く運んだ場合のみ、安心を得られるということになる。しかし、そんな物事が順調に進むことなど、あまりない。

 

⑤幾つもの[強み]を育てる。

 これは、例えばおもちゃであっても、たとえそのおもちゃが大ヒットで空前のブームを巻き起こしたとしても、やがては飽きられて需要は無くなる。たまごっちとか、ぷよぷよとか。

 

 故に、組織であれ個人であれ、一つの強みのみに依存した状態というのは、己を支える柱が一本しかないようなもので、とても不安定である。柱は四本あれば、けっこう安定するものだ。四つの強みは無理でも、まあ、二つとか三つあれば、一つの時よりも心強いことは確かだ。

 

 

 まあ、つまりは、脆さを極力排除すれば、不敗に近付くということだ。ハリウッドのアクション映画でよくあるような、ギリギリのタイミングで危機を脱するという手法は、現実世界では止めた方がいい。映画と異なり実際の人生には、ギリギリのタイミングで助かる脚本なんて存在していないのだから。